こんな『夢』を観た。

映画の試写会では、つかみがオッケーな作品でないと途中退席されかねない。でも大御所監督になると、名前そのものがつかみになる。

黒澤明の『夢』見ました。観客を無理につかもうとせず、撮りたいものを撮った作品だと感じました。まあ、最初の方に出てくる「狐の嫁入り」は独特だからつかみになってますな。

この映画は、自然破壊、戦争、原発はよくないということを訴えている。

それにしても、桃の木の伐採を雛人形(桃の木の精)が非難したり、「水車のある村」の老人が、生きている木を伐るのはかわいそうだと言ったり、「黒澤さん、あんたが言うか」と思いましたよ。撮影現場で「あの山をどけろ」と言ったという伝説もあるくらいだし。『七人の侍』の砦を燃やすシーンの撮影では、燃え過ぎて周りの森も焼けてしまったそうではないか。

村の老人が嘆く、頭がいいのかもしれないが自然の深い心が分からない学者がいるからこそ、黒澤作品では『夢』で初めて導入されたというハイビジョン(デジタル)合成の技術も生まれたのです。
「水車のある村」も、周りに文明があるからこそ生き残っていけるのです。

ところで、この『夢』、原発事故を予言していると言われる。いやあ、人間って忘れっぽいものです。東日本大震災が起こるずっと前から反原発の意見は世の中にあふれていましたよ。原発事故が起こる度に(事故とはいえない故障でも)、「それみたことか、廃止せよ」と声高に叫ばれていましたもん。

「水車のある村」のような生活をする覚悟があれば、原発は全廃できるでしょう。そんな生活は耐えられないとなれば、あの老人に批判されたような頭がいい学者に画期的な新エネルギーを発明してもらうしかありませんな。

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