家でも店でも、食器の清潔さは完璧ではない。

子供の頃、気分転換に、普段はお茶を飲むことにしか使っていなかった湯呑みでインスタントコーヒーを飲んでみたら、明らかに味がおかしかった。食器が違うと味も違うように感じるというようなレベルではなかった。完全に違う味だった。これはどう考えても、湯呑みに染み付いていたお茶の成分が混ざってしまったからにちがいない。

それはそうと、食器にしろ調理器具にしろ、完璧にきれいに保つのは不可能だ。
食器棚に入れておいてもホコリはある程度付くだろうし、見えないダニもいるだろう。
食器を重ねて収納する場合、一番下の食器の底は食器棚に直接触れている。並べ替え等でその食器を別の食器の上に重ねることはよくある。そうすると食器棚の汚れが食器の上部に付着することになる。
もちろん食堂等では食器棚を汚れたままにしておくことは少ないだろうが、頻繁に棚をきれいに拭くのは時間的にも無理なので、棚は常に清潔とはいえない。
誰でも棚を直接舌で舐めてみよと言われたら抵抗があるだろう。その棚の微量の汚れが食器の料理がのる面に付着しているのだ。

食器を拭く布も、しょっちゅう新しいものにするわけにはいかないので、想像以上に不潔なはずだ。何時間もハンガーみたいなところに掛けておけばホコリも付く。引き出しに入れたとしてもその中が清潔とは限らない。引き出しの中なんて滅多に掃除しない場所だから案外汚いかもしれない。

ホテルの食器洗い場では大量の食器を扱うので、食器を拭く布がすぐにびしょびしょになる。その布をギュッと絞り、それでまた食器を拭くのだから手の汚れがいくらか食器に付くはずだ。手を清潔にしておくことを心掛けてはいても、洗い場は忙しいので食器棚やドアのノブなどあちこちいろんなところを手で触ることになるから、どうしても手に汚れは付く。その手で、洗い終わった食器を持ち運んだりするのだから、食器が完璧に清潔であろうはずがない。

普通の家庭と違って、ホテル等の食器洗い場では、シンクになみなみと水を張って、そこに洗剤を溶かし、その中に汚れた食器をどんどん入れていくようになっているところがある。そういう洗い場では、続けざまに食器を洗っているとシンクに張った水が汚れで濁ってくるようになる。頻繁に水を入れ換える時間はないので、どうしても不潔な水で食器を洗うことになってしまう。とはいっても、洗剤で洗った食器は、洗剤を溶かしていない普通の水を張ったシンクに浸して洗剤を洗い流すので、最終的には不潔すぎるようなことにはならないが。

食器や調理器具の汚れは気にし出したらきりがない。

人間以外の動物、例えば猫や鳩は、道ばたに落ちているものを食べているんだから。

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